野菜の名前 植物の名前

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


 30年ほど前は家のすぐ前が田圃で、2キロ先の隣町との境の橋まで見通せた。しかし、いまはその田圃も埋め立てられ、新興住宅地に。冬になると前の家の陰が庭の境まで迫ってくる。

 それでも、近くの調整池までいくと、まだ自然がのこっているので暇があるとウォーキングにでかける。つい先日まで、昼間も10℃以下の寒い日が続いていたが、ここのところやっと平年並みの気温に戻ってきたようだ。きのうは午後になっても暖かかったので、買い物がてら調整池にいってみた。まだ真冬なみの気温だと思っていたのだが、いつの間にか日溜まりにはオオイヌノフグリ、ホトケノザ、ナズナなどの花が咲き始めている。

 植物名の語源はいろいろだが、植物にとっては迷惑だと思われるものもある。オオイヌノフグリもそのひとつだ。フグリとは陰嚢のこと。花がおわると、毛が生えた玉状の実ができるが、その形が犬のフグリに似ているというのだ。この仲間には、立性のタチイヌノフグリ、イヌノフグリなどがある。オオイヌノフグリというと大きなフグリみたいだが、イヌノフグリより大型の草姿のものという意味だ。

 夏の植物では、ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)などという虐待じみた名前のものや、ヘクソカズラ(屁糞葛)などという差別めいた植物名もある。ママコノシリヌグイには棘がいっぱい生えていて触るだけで痛いけれど花はきれいだし、ヘクソカズラは葉を揉むといやな臭いがするが、花は可愛いし、葉が落ちたあとの蔓と実はリースにしても綺麗だ。

 野菜には、さすがに不快な呼び名はつけられていないが、「おいしい菜(美味しい菜という意味?)」とか、「スティックセニョール(茎も食べるブロッコリだが、セニョールは意味不明だ)」、蔓ありインゲンの「マンズナル(東北弁?の‘まず成る’という意味?)など、駄洒落のような名称が結構ある。

 植物名(和名:図鑑にでている名)は植物の標準語で、学者がつけた学問上の名だ。標準語はどこに行っても通じるから学問をする人には便利だ。しかし、その土地土地での呼び名まで無理に標準語でいう必要もない。地方名には、そう呼ばれるようになった歴史があるし、なにより味わいがある。ぜひ、消えてしまわないように守っていきたいものだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする