キクの花 スイセンの花 つまもの

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いつもは年末から咲き出す庭のスイセンも、今年は2月になってやっと咲き出した。もう、そろそろ花も終わりかけ、花梗が折れ曲がったり、横に寝てしまったりしたものも多いが、まだまだ綺麗だ。

スイセンは房州で分けてもらってきた野生のスイセン。伊豆の下田とか、越前海岸などでは群生したスイセンが観光の目玉になっている。越前海岸のはまだ訪れる機会がないが、下田には何度か行ったことがある。海岸一帯に咲いたスイセンは見事だが、風情は感じられなかった。その点、房州のは海岸のあちこちに自然の状態で生えているので素朴で良い。

野生のスイセンは3倍体なので種ができないということだ。だから、繁殖は球根の分球でふえる。もともと日本原産でないスイセンは、漂流した外国船に積んであった球根が陸に流れ着いたのが元とか。何個流れ着いたか分からないが、今は全国にひろがって繁殖しているところを見るとかなりしぶとい植物と見える。我が家のスイセンも毎年どんどん生育範囲を広げ、何年かごとに一部を抜き捨てている。

ところで、このスイセンの球根に毒があることは知られているが、実は葉にも毒を含んでいる。葉をニラと間違って食べたり、球根をタマネギと間違って食べたりという中毒事件も起きている。中毒症状はおう吐、胃腸炎、下痢、頭痛。

「つま」には食べられるものと、飾りとして用いるだけで食べられないものがある。白髪ダイコンや芽ネギ、芽タデ、木の芽などはもちろん食べられる。エディブルフラワー(食用花)として用いている、スナップ(キンギョソウ)や洋ランなども食べることができる。いつも迷うのは小菊。「もってのほか」などとちがい、小菊は料理菊ではないが、食べれば食べられないことはない。他の人はどう対処しているのだろう。(ちなみに、他のつまもの同様、キクの花にも抗菌作用があるそうだ)

先日、デパ地下の野菜売り場で、ミニバラのつぼみ、松葉、梅や桃の小枝などに混じって、スイセンの花が売られているのを見た。スイセンは全草に毒があるから、たべられない部類に入るが、エディブルフラワーと勘違いして食べてしまう人がいないか、ちょっと心配になった。