アマダイ

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 魚売り場を見ていたらユーモラスな顔をした魚に出会った。アマダイだ。口を開けた方も、むすんでいる方も、いかにもとぼけ顔だ。あまりにも滑稽だったので買ってきて描いてみた。

 アマダイという名前で売っていた魚の本名は、「アカアマダイ」。本州中部以南から東シナ海に分布し、砂地の海岸近くが住みからしい。

 旬は秋から冬。京都では「グジ」といい、グジ料理は伝統料理になっている。

 旬といっても、魚は近海物だけでなく遠洋にもでて獲る。外国でとれたものも輸入するので、「初サンマ」や「初カツオ」のようにメディアが騒ぎ立てるもの以外は、その魚の旬がいつかはわかりにくい。

 野菜の旬も魚と同じで、いつが旬かと聞かれてもわかりにくくなってしまった。
その理由は、プラスチックフィルムなどの農業資材がよくなったことと、ビニルトンネルやビニルハウス、温室での栽培技術が発達したためだ。キャベツやレタスのように本来は冷涼な気候を好む野菜も、品種改良されで暑さに強い品種ができている。また、輸送の技術やスピードが増したため、冷涼な地域の特性をいかして真夏に栽培した冬野菜も、かんたんに手にはいるようになった。さらに、最近は国内だけでなく、南半球の気候を生かして栽培した輸入物も多く見られるようになった。

 旬は、日本国内や近海で獲れたものだけをいっていた時代と違って、いまや地球規模で考える必要がある。つまり、「その土地、その土地で野菜や魚がいちばん美味しい時期が旬」だと考えると、一時期だけでなく「一年中旬」のものがあっても良いのかも知れない。

コメント

  1. 菜園ブログ より:

    Unknown
    こんばんわ。「旬」はいい言葉だと思います、青物の少ない時に フウフウ吹きながらの「七草粥」、井戸から出して裸でかぶる「西瓜」、食べる方の人間の状況が感じられます。「娘十八番茶も出花」と言われていた人間様の旬はどうなってるんでしょう?