福島で食べた「ちまき」

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 所用で福島に行った。梅雨とはいえ晴れ間ものぞきまずまずの天気だ。

 宿で出してくれた「ちまき(粽)」は、クマザサの葉で三角に包んで「い草」で縛ったもの。中華街で食べるちまきは具が入っていて味つきだが、ここのちまきは、もち米の形がそのままのもので味つけはしていない。砂糖入りのきな粉をつけて食べる。

 ちまきは中国から平安時代に渡来したらしい。そして、いろいろな形に変化してきたという。新潟のちまきも確かもち米で、味はつけていなかったようだ。よく、和菓子屋さんで売っているちまきは、すりこぎ棒の片方を細くしたような形で甘い。

 米の種類も、もち米だけではなく、うるち米を使ったのもあるし、半づきにしたもの、そのままのものと多種多様だ。

 今年は暖かくなるのが遅かったのでクマザサの大きな葉がやっととれたそうだ。だから、新しい笹の葉で作った今年初めてのちまきだという。地方によっては、笹の葉のほかにもチガヤなどの葉をつかったり、竹の皮を使ったりするところもある。竹の皮などはいちど乾燥させたものの方が使い勝手がいいからそれでもいいが、笹の葉はやはり新しい方が色もいいし、香りがよい。きっと、抗菌力も強いのだろう。

 帰りにJAの農産物直売所に寄ってみた。ミズ(ウワバミソウ)、破竹(はちく)のタケノコ、フキ、ネマガリダケのタケノコ、ウドの芽などの山菜と並んで、水の入ったポリトロ箱の中に束ねた大きなクマザサの葉が浮かべられていた。きっと、このへんでは、家庭でもちまきを作るのかも知れない。

 宿で出されたちまき。手に取ってみると、フッとほのかにクマザサの香りがした。

コメント

  1. ちまき
    私が小さいときは、餅米を筍の皮で同じように三角の形にして作ってありました。「つのんぼ」って呼んでいました。
    やはり、味は無く、漬け物で食べていました。
    昔はあまり好きではなかったけど、今は懐かしいですね。自分では作れませんから・・。
    各地で作り方が違うのですね。