ポタケのノフキ(野蕗)収穫

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 ノフキの苗は園芸店から購入したもの。野生のフキあるいはその選抜種と思われる。
 一般に市場に出まわるフキは「愛知早生フキ」が多い。愛知早生フキは江戸時代から栽培されていたそうだ。苦みが少なく、香りがよいのが特徴。ほかに「水フキ」や「秋田フキ」があるが、これらのフキは加工用にされるので青果としては眼に触れることは少ないだろう。

 フキは日本原産の植物。日本以外に朝鮮半島や中国にも自生している。雌雄異株。食用部分は葉柄。新鮮ならば葉も食べられる。フキノトウ(蕗の薹)はフキの花茎と蕾。栽培するフキは地下茎の株分けにより繁殖する。

 なお、佃煮のキャラブキはツワブキの葉柄を煮たもの。フキは葉柄に空洞があるが、ツワブキにはないので、本物のキャラブキかどうか判別できる。

 ところで、「フキの地下茎は有毒」という記事があったので調べてみた。すると、こんなことが。
 6000種以上の植物には、ピロリジジンアルカロイド類(PAs)という肝障害を起こす物質が含まれている。ピロリジジンアルカロイド類(PAs)はキク科やムラサキ科、マメ科などの植物に含まれている物質。

 フキはキク科の植物。分析結果は見つからなかったが、根だけでなくフキノトウや葉柄、葉にもこの物質が含まれているらしい。しかし、成分量が少ない上に、アク抜きすることによって多くのPAsが流出するから、普段食べている量では問題ないと思われる。

 好きなものだと、つい、たくさん摂ったり、摂り続けてしまいがちだが、できるだけ多種類の食品を少量ずつ摂取するように心がけたいものだ。といいつつ、今日も沢山のフキの煮物を食べてしまった。

※ムラサキ科のコンフリー(ヒレハリソウ)は、一時健康食品などとしてもてはやされたが、肝障害などの問題があるということで厚労省により販売が禁止された。葉を天ぷらなどにして食べたりもした。特に根に毒性物質が多く含まれる。家畜の飼料などに用いられたこともあり、野生化しているものもある。
※キク科のセイヨウフキ(西洋フキ)は、2012年に摂取を控えるように厚労省から通達が出た。なお、西洋フキは、日本のフキ(ノフキ、愛知早生フキ、秋田フキなど)とは別種だから安心して欲しい。

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