キスジノミハムシ

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ポタケでは、コマツナの花が咲き出した。

コマツナの花

その傍のトンネルまきしたミズナやキャベツの葉が急に白っぽくなってきた。最初は病気だと思っていたのだが、気をつけてみると何やら動くものが。キスジノミハムシだ。

キスジノミハムシはアブラナ科野菜の害虫。土中に産みつけられた卵が孵化すると根を食害する。成虫になると地上に出てきて葉を食い荒らす。食害痕は丸く白っぽくなるが、やがて抜け落ちるものも。成虫は土中で越冬するが、暖冬の翌年は発生が多くなる。通常は野菜が全滅してしまうほどの害はないが、ダイコンなどの根菜類では根に点々と食害痕が残り、コマツナやミズナなどの葉菜類では葉が汚くなるので商品価値が落ちる。

ポタケのミズナはトンネル栽培だから、種まきしてからすぐにビニールフィルムで密閉した。だから、外からの侵入は考えられないので土中で越冬していた成虫が動き出したのだろう。

なお、キスジノミハムシは体長5㎜以下の小さな虫だから、防虫ネットをかけるときも目合いの小さなものを選ぶ必要がある。ネットに植物体が接触しているとそこに卵を産みつけられるので注意が必要。暖かい地方では、年何回も世代交代するので秋口に被害が多くなる。

有効な農薬もあるが、コンパニオンプランツとしてクリムソンクローバーなどを畑の空いたところにまいておくと、天敵のクモやゴミムシなどが繁殖するのでキスジノミハムシを減らす効果がある。
ちなみに、クリムソンクローバーはホワイトクローバーと違い1年草だから処分に困ることもない。景観植物としても、切り花としても利用できる。また、ダイコンシストセンチュウ忌避効果もあるし、根粒菌の働きによる効果も期待できる。一石なん丁にもなる植物だから利用したい。まき時は秋と春の2回。

交尾中。下の♀は葉を食害している。葉の穴は食害痕。

交尾中。下の♀は葉を食害している。葉の穴は食害痕。

キャベツの子葉食害痕。

キャベツの子葉食害痕。