トマトの尻腐れ果

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ポタケの雨除けトマトに尻腐れ果が発生した。
原因にはいろいろあるが、このトマトの場合は土の乾燥。
無灌水栽培を試みているからだ。

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画像は尻腐れ果だが、細胞が壊死した部分にカビが生え黒っぽくなっている。

尻腐れ果の原因は、カルシウム欠乏。
土中にカルシウムがあるばあいでも、何らかの原因で吸収できない状態にあるために欠乏症が発生する。
カビやウィルスによる病気ではなく、いわゆる、生理的なもの。
植物体内のカルシウムが不足すると、根から一番遠い部位の果実の先端や葉の周辺、芽の先端が黄変したり、枯れたりする。
4から5月定植のトマトでは一段果の発生が多い。

原因と対策は以下のとおりだ。
原因
1 土中の水分も適度に有り、気温が26℃程度の適温の下で急激に生育が進んだとき。
2 土が乾燥しすぎたとき。
3 窒素質肥料やカリ肥料が多すぎたとき。
4 トマトトーンなどの着果ホルモンを散布したとき。

対策
1 施肥量を適正にする。
2 敷きわらなどをして土の過乾燥を防ぐ。
3 塩化カルシウム※を葉面散布する。
 植物体内のカルシウムの移動は緩やかな上、根から吸えない状況にあるので葉面散布が効果的。また、塩化カルシウムは、農薬ではなく特殊肥料なので安全。
※商品名:カルクロン 200倍ほどに薄めて散布する。袋に書いてある注意書きを読むこと。

ちなみに、イチゴの葉の周辺が黄色くなり枯れる『チップバーン』、ハクサイやキャベツの葉の周辺が枯れる『縁腐れ』、芯が枯れる『芯腐れ』などもカルシウム欠乏によっておこるので同様に葉面散布するとよい。