芯止まりトマトの育苗

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 トマトの蕾が大きくなってきた。「しゅほう」という芯止まり品種だ。

 「しゅほう」はジュースなどに加工するための地這い栽培用の品種。普通のトマトとは違いゼリー部が少ないが、サラダなどの生食にもできる。

 ところで、トマトは、播種後約30日、本葉2〜2.5枚(積算温度600℃)になると第一花房が花芽分化し、60日、本葉8枚程度(積算温度1000℃)で開花する。
 このトマト苗は3月25日にまいたもの。だから計算どおりならば、あと10日ほどで開花することになる。蕾がもう少し大きくふくらんだら定植する予定だ。

※芯止まり品種 2段まで花房ができると芯が止まってしまう品種。鉢植え用の「レジナ」は芯止まりミニトマトの矮性種。
※積算温度 生育日数の各日の平均気温の積算値。育苗では、毎日の育苗床での平均温度を足した値。

 トマトの花芽について、もっと知りたい人のために

 積算温度で花芽分化や開花期が決まるので、開花期までの日数は育苗時の温度管理によっても異なってくる。
 私の育苗法は、室内で発芽させたものを透明の衣装箱に入れて、昼間は戸外に、夜間は室内に入れて管理するもの。だから、温床育苗に比べて夜間の温度は低めに推移しているはずだ。

 夜間の温度が高いと花芽の数が少なくなり、大きさも小さくなる。反対に夜間の温度が低いと花芽の数が多くなり、大きさも大きくなる。しかし、低すぎると花芽が大きくなりすぎ、乱形花(鬼花:おにばな)ができやすくなる。

 トマトの花芽分化は、一段目の花房ができたあとも引き続きおこなわれる。第一花房が分化すると、花芽のすぐ下に葉芽が分化する。そして葉が3枚分化すると生長点に花芽ができる。花芽ができると花芽のすぐ下に葉芽が分化する。このように、生長点では花芽と葉芽が交互に分化していく。しかし、見た目には花房は茎の脇に着いているから生長点で分化しているようには見えない。
 なお、芯止まり品種は、花芽ができると葉芽の分化が止まってしまうので、その下位節からの側枝を伸ばす必要がある。

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