画像はダイコンの1回めの間引き後の姿。
野生の植物は競争力が強いので、たとえ株間が込んでいても問題はない。発芽した中から草勢の強いものが大きくなり、弱いものは小さいままで生き延びることができる。そして、大きなものが抜かれたり枯れたりすると、待ってましたとばかり根元の小さい植物が伸び始める。
しかし、園芸植物は人が利用する目的で改良されてきたので。幼苗のときには競争力が残っているが、ある程度の大きさになると競争力を失ってしまう。だから、人が手を加えないと共倒れしてしまう。その手助けのひとつが間引きだ。また、幼苗期は多少込んでいた方が生育が早まるのはそんな理由からだ。
発芽してからのことは以上の通りだが、発芽する際にも大切な条件がある。種子の発芽には酸素、水、温度が必要だが、このほかに光を必要とする種子もある。
レタスやシュンギクなどは好光性種子といい発芽に光を必要とする。雑草の種子も好光性のものが多い。発芽しても何かに覆われていると生育ができないが、何もなければ自由に伸びることができる。雑草の種子は発芽してからの生育が可能かどうかを種子の時代に光によって判断するわけだ。
これを逆手にとれば雑草を生やさないような栽培ができる。ひとつは黒マルチのように地面に当たる光を遮ってしまう方法。敷きワラなども光を遮るので同様の効果がある。もうひとつは土を耕さない方法(不耕起農法)だ。土を耕さなければ雑草の種子は土中に埋まったままになるので、発芽できない。これらを組み合わせていけば、草取りの手間を極端に減らすことができる。
ただ、この不耕起農法には、この農法なりのテクニックがある。そのことについては、またの機会にアップしていきたい。
きょうは、ちょっと理屈っぽくなったがお許しを。
コメント
Unknown
いちいちナルホドと肯いてしまいました。
理屈を知っていれば応用もできますし覚えやすいです。
勉強をこのように教えてくれる先生に出会いたかったです。
勉強が出来なかった言い訳でしょうか(笑
すぷらうと さま
理屈がわかると理解しやすいこともありますね。
でも、それを詳しく話していると膨大な時間になってしまいそうでもあります。
どこまで話をするかは難しいですね。
すべての植物は、自分の置かれている環境に合わせてしたたかに生きていますね。植物を知れば知るほど、植物に対しての興味が増してきます。
こんにちは
妹の家庭菜園から、大根の間引き菜を貰って来ます。
チリメンジャコを入れて、菜飯しを作ると美味しいです。
ハガキ絵が素敵ですね~!
さらりと描かれたような、安らぎを感じます。
ありがとうございます。
楽しみにしています。
勉強になりました。
間引きは最初のうちは種がもったいないという理由で少なめに撒いてあまりしなかったのですが、やっていくうちに最後には種はあまってしまうことが多いのですし、多めに撒いたほうが成長も早く感じました。又、野菜によっては間引いたものは別の場所に移植することも出来ますし間引き菜として通常味わうことの出来ない楽しみを味わうことも出来ますね。
レタス シュンギク
レタスとシュンギク種まきしました
どちらも光が必要なんですね ちょっと土をかぶせすぎたかもしれません
土は薄くかければ良いのですか?
それとも蒔いてからぎゅっと押す程度で
土をかけないでも良いのでしょうか?
遮光ネットで除草
去年から遮光率65%~90%の遮光ネットを買ってきて、耕作放棄地の除草をしてサツマイモやカボチャを植えました。
まだ完全には防げませんが、今年は自分の畑の草抜きに専念できました。
小鳥沢 さま
菜めしは美味しいでしょうね。
絵はサラッと描きたいのですが、なかなか……。
koji さま
あまり多くまきすぎると間引きが大変ですね。しかし、少なすぎても生育が遅くなるようです。
ほどほどが一番ですね。
Heyモー さま
好光性種子は、薄く土をかぶせる程度がいいと思います。土をかけないと乾いて芽が出にくいですね。
箱蒔き育苗では、覆土しないでぬれタオルなどを掛けておく方法もあります。
ぎゅうちゃん
「精農は草を見ずして草を取る」なんて言葉がありますね。農業は草との戦いですね。
手抜きするために遺伝子組み換えをして除草剤でも枯れない作物を作り出しました。しかし、その除草剤に耐性のある雑草が問題になっているようです。アメリカではかなり深刻なようですね。せいぜい、防草シートや遮光ネットくらいで我慢すべきだと思います。