袋栽培のキュウリの先端をピンチし、やっと収穫が始まった頃、葉色がちょっと悪いのに気がついた。葉裏を見るとハダニが。
このハダニの種類はカンザワハダニ。体が赤いのでアカダニなどと呼ばれる。カンザワハダニだけでなく、ハダニ類に寄生されると葉の表面が点々と白くな り、ひどくなると枯れることもある。予防は、ハダニに吸汁されて白く変色した状態を見過ごさないことと雑草を近くに雑草を生やしておかないことだ。
発生する野菜は、ウリ科の他、ナス科、マメ科、イチゴなど広範囲に及ぶ。とくに、梅雨明け後の高温乾燥時に発生しやすい。また、施設栽培では年間発生するので注意が必要だ。
ダニの駆除には農薬(殺ダニ剤)が使われるが、薬剤に対する抵抗性(薬剤抵抗性)が着きやすいので、同じ農薬を使い続けないで定期的に種類を替える必要がある。また、農薬には適用植物が決まっているので散布するときには注意が必要だ。
なお、最近は生物農薬として、害虫のハダニ類を補食するカブリダニ類も利用されているが、施設での利用に限られる。
ところで、このカンザワハダニの発生源は冬の間室内で育てていた食用ホオズキだ。ハダニが着いているのは分かっていたのだが、梅雨時だし外に出せば死滅するだろうとタカをくくっていた。ところが、このダニがキュウリにうつったらしい。
増殖した頃になって気がつき、水をかけたりしてみたが効果なし。つぎに、ホームセンターで有名薬品会社の「天然素材を使用した農薬」なるものを購入し、 何度か散布してみた。ところが、1000円以上もしたこのスプレー剤の結果は全くのゼロ。少しは減るかと思ったが、ハダニは元気ハツラツ。で、その後も増 え続けた。袋栽培ごときに化学農薬まで使いたくないので、泣く泣く根こそぎ引き抜いて処分した。
吸汁されて葉が白く変色
卵
雌の成虫。