フキの雌雄

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 福島山中の一軒宿に泊まった。山はちょうど新緑。ここは、標高750メートル、ツツジやシャクナゲの花が見頃だ。

 宿の庭に目をやると、大きく伸びたフキノトウのタンポポのような綿毛が白く目立つ。

 店でうっているフキノトウはまだ蕾だ。野山に普通に生えている植物だから郊外に行けばどこでも見られる植物だが、町中に暮らしている者にとってはフキの花はもちろん種をつけた姿などにはめったにお目にかかれない。

 フキはキク科フキ属の多年草。雌の株と雄の株が異なる雌雄異株の植物だ。どちらの株もフキノトウとして利用する。だから、通常は雌雄を気にすることもないが、花が咲き出す頃になるとその大きさの違いに気がつく。雄花はそれほどでもないが、雌花は大きなものでは40センチ以上の背丈にもなる。そして、花が咲いた後にはタンポポのように冠毛(綿毛)のついた種子をつける。パックに入ったフキノトウしか知らない人がこの姿を見たら、まさかこれがフキノトウの成長した姿だなどとは、とても想像出来ないだろう。そんな大きさ、そんな姿だ。

 標高の高い宿のあたりでも、フキノトウのシーズンはとっくの昔に終わってしまった。しかし、帰りに寄った地元の産直店にはフキノトウがあった。ふだん見ているフキノトウと違って淡黄色だ。きっと雪の下から顔を出したばかりのフキノトウを吾妻の山奥で摘んで来たのだろう。

 あまりにその色がやさしく、いかにも美味しそうだったので、お土産に1パック買い求めた。帰ったら天ぷらにして家族に食べさせよう。

コメント

  1. 吉ちゃん より:

    Unknown
    蕗の花がもうそんなに大きくなったんですね。
    私も来週の木曜から福島から宮城に行く事になっています。わらび採りが目的ですがついでに葉がついた蕗も採って大好きなキャラブキを作ってもらうつもりです。

  2. いわみ より:

    Unknown
    まだふきのとうとれるところあるんですね。
    私のところでは2月末ごろにとれます。
    うかうかしてるとすぐ大きくなって旬がすぎてしまうんですよね~
    今年は母が味噌につけておいしくいただきました^^

  3. 菜園ブログ より:

    フキノトウ
    福島に行かれたそうで、気持ちのいい時間を過ごされたことでしょう、羨ましい思いです。東京では、透明容器き入ったふきのとうしか知りません。