《コマユバチの繭》
畑で小さな繭の固まりを見つけた。どうやらアオムシ サムライコマユバチ Cotesia glomerata(Linnaeus)の繭らしい。この虫の成虫はモンシロチョウの幼虫、つまりアオムシに卵を産みつける寄生蜂だ。産みつけられた卵はアオムシの体内で孵化し、アオムシの体を食べて生長する。そして、十分に大きくなるとアオムシの体内から皮を食い破って外に出て繭になる。
秋から観察してきたブロッコリーのアオムシは寒さでほとんど死滅したが、抜き取るときにふと見ると、まさに体を食い破って出始めたコマユバチを見つけた。これが、その画像だ。虫を恐れない私でも、このグロテスクな姿を見てオカルトの世界を連想せざるを得なかった。
《アオムシから出始めたコマユバチの幼虫》
こんな姿だが、アオムシの天敵だから野菜の味方、私の味方だ。葉を裏返してみないと気がつかないが、農薬を使わないとこんな天敵も普通に見られるようになる。
モンシロチョウにとっては、産みつけられた卵が無事が孵化しても、コマユバチ、鳥、狩り蜂、寒さなど、次々に立ちはだかる難関を突破して、一人前のチョウチョ(成虫)になるのは至難の業ということになる。
コメント
Unknown
天敵と害虫の比率って1:100位でしたっけ?天敵のおかげで害虫がいなくなると天敵もいなくなるので困りますね。
害虫はいなくなればいいと思うのは人間のエゴなのでしょうか?
もいもい さま
害虫がいないと天敵は生存できませんね。バランスが大切です。
ですから、農薬を使うと害虫もいなくなりますが、天敵もいなくなるということになります。
喰いつ喰われつの関係が成り立っているのが、生態系ピラミッドということなのでしょう。それを壊してしまっているのが「人間様」です。
Unknown
青虫に産みつける寄生蜂知りませんでした。
というか目にしたことが無いか気がつきませんでしたね。
青虫は本当に沢山野菜について困りますがこうして
天敵もおり生き抜くのは大変なんですね。
Unknown
このコマユバチの繭は見たことがありません。虫の世界も生きるために必死なんですね。正直こんな生態を見られるの葉めったにありません。しかしこの画像を見るとやっぱり気持ち悪いですね。畑を注意して見てみたいと思います。
グロテスクな姿
気味の悪い光景ですね、今まではこの光景を見てもどう言う物か判らなかったでしょう。
体内で蠢いている時、アオムシはどんな気分であったのでしょう?
そう思うとゾッとしますね。
notti さま
天敵がいるからいっぱい子供を産むのでしょうね。人間は敵がいないから子供の数が少ないのかも。
吉 ちゃん
もっとアップで撮った写真があるのですが、気持ちが悪いので使うのをやめました。
結局、ブロッコリーに十数匹いたアオムシは、1匹だけ蛹になっただけでした。その蛹にも寄生する虫がいますから、無事成虫になるかどうかは不明です。
sasagawa さま
狩り蜂の仲間も、捕らえた芋虫を殺さないで麻痺させるんですね。ですから、仮死状態の体に卵を産みつけるわけです。殺してしまうと、餌が腐るからでしょう。自分に置き換えて考えるとゾッとしますね。
この写真はお許しください。
こんなことってあるんですか?
気持ち悪さで驚きました。自然界の生へのサバイバルはすごいですね。
こんな強さがヒース・レジャーにあったら、暗い世界から抜け出られたのにと思いました。
彼の死を悲しんでいるファンの一人なんです。
ほっとほっぺ さま
私も知識としては知っていましたが、実物を見たのは初めてです。
この幼虫もここ2,3日の寒さには勝てずに死んでしまいました。これが自然の摂理ですね。
コマユバチ
すごい写真でよく撮られましたね。自然の中で繰り広げられる天敵と害虫の象徴として見られる傑作な写真です。
otoupon さま
ありがとうございます。いつも何か変わったものがないかと目を光らせています。以前、キャベツ畑でよく見かけたので注意していました。