マツタケの人工栽培

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茨城県自然博物館の第5回企画展、「地球を支える不思議な世界 ~キノコとカビのミラクルパワ~」を見た。昨年からやっていたこのイベントも、1月9日(月)が最終日。冬休みの最終日ともあって子供連れの家族で賑わった。

この展示で興味を引いたのはマツタケの栽培実験だ。マツタケは生きている赤松の根などに共生する菌だから、シイタケやマイタケのように枯れた木に生えるキノコと違って、いまのところ栽培は不可能だ。ところが、赤松の幼苗にマツタケ菌を接種して栽培し、共生させた後、山に植える研究がなされている。これがうまくいけば、人工的にマツタケ栽培が可能になるのだ。いまの時点では、苗に菌を接種し、共生させるところまで成功しているそうだ。マツタケがうまく発生すれば、シイタケのように安く出回ることも考えられる。

マツタケのように生きた根に共生するシメジは、すでに培養に成功している。「香りマツタケ、味シメジ」で知られるシメジだ。このキノコの培養は、マイタケなどのようにポリ瓶での栽培が行われている。ただ、培養には高度な技術が必要らしく、培養できるようになったといってもマツタケ以上に高価で、いまは高級料亭向けだそうだ。

この展示場の中央には「キノコ広場」が作られていた。子供達が、キノコの菌糸をイメージした斜面を登ったり、巨大なキノコに乗ったり、キノコの傘をかぶったり、歓声をあげながら楽しんでいた。