文旦 ザボン

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 知人から文旦をいただいた。まえに食べたときは皮ばっかりという感じがしたが、今回いただいた文旦は実の大きさにくらべて皮が薄い。同じ柑橘類でも、文旦特有の香りと甘酸っぱさがグレープフルーツなどと違い濃密な感じだ。

 文旦は、江戸時代に鹿児島に漂着した船によってもたらされたという。文旦(ボンタン)という呼称は、その船長の名前からついたということだ。別名、ザボンの名称はポルトガル語由来、英名はpomelo(ポメロ)だ。たくさんの品種があるが、そのなかでも晩平柚(ばんぺいゆ)は1キログラムから2キログラムにもなる大型種だ。

 文旦は実が大きいが種子も多い。数えてみたら、一つの袋に数個、1個の果実で60粒もあった。文旦の血が入っているといわれるグレープフルーツの中にも種子の多い品種がある。しかし、1個の果実の種子全部でも10粒程度だから、その約6倍の量になる。いっそのこと、グレープシードオイルならぬ、ポメロシードオイル(そんなものはないと思うが)目的にもっと種子の多い品種改良をしたらと思うほどだ。食べ終わった食卓には種子の山ができた。知らない者がこれを見たらなんと感じるだろう。