ゼンマイ 山菜

シェアする

Pocket


 いつもの年なら宿の山側の斜面にゼンマイが群生しているのだが、今年は雪が多く春になってからも天候が不順だったためか、芽生えがまばらだ。

 ゼンマイはゼンマイ科のシダ植物で、山野の水気の多いところを好む。ワラビなどとくらべると葉の切れ込みが少なくのっぺりした感じだ。ゼンマイは栄養葉と胞子葉(繁殖のための胞子を作る葉)が別々に出る。写真は胞子葉で、成長すると栄養葉とちがってまっすぐに立つ。ゼンマイの新芽は螺旋形で白い綿毛に覆われている。時計などの「ゼンマイ」はこの螺旋形のゼンマイが由来だ。ただし、植物のゼンマイは「薇」、時計のゼンマイは「発条」と書く。

 ゼンマイは、ワラビと並んで保存が利く山菜の代表格だ。ふつう、店で売っているゼンマイは茹でて乾燥したもの。綿毛を採った軸を灰汁で茹で、揉みながら天日で乾燥させる。うまく乾燥させたものは、針金のように細いものでも戻すとビックリするほど太くやわらかいゼンマイになる。

 宿では、このゼンマイを戻してクルミ和えにしたものがでた。やわらかい食感のワラビとは違い、やや硬めの食感がいい。クルミの香りともよくマッチしていた。

 ところで、オスマンダという洋ランの植え込み材料(コンポスト)は、このゼンマイの根を乾燥させたもの。だから、オスマンダ ルーツともいう。このオスマンダを水苔と併用すると洋ランの植え込みには最高にいいらしいが、ゼンマイの生育環境が減ったためか最近はほとんど見かけなくなってしまった。ちなみに、オスマンダはゼンマイ科の学名Osmundaからきている。

コメント

  1. 吉ちゃん より:

    Unknown
    来週末に私も宮城の鬼首と言うところにワラビを採るに行きます。毎年この場所に今頃行くのですが大嫌いな蛇が出てきて冷汗をかきながら採るんですがそこではもうぜんまいは葉が出てしまってとれません。
    そうそう先日ふきのとうの話がありましたが仕事で青森に行った時山に沢山の蕗が出ていて都会人の私は思わず採って行こうといったところこの地方では“これはバッケと言ってウサギが食べるものだ”と笑われた事がありました。いまそんなことを思い出しました。

  2. 菜園ブログ より:

    ぜんまい
    ぜんまいにも不作があるんですね。都会生活者には山菜は馴染みが無いので、めずらしいお話を伺いました。