菜園のスナップエンドウを抜き取った。昨年の秋に種を播いてから半年ちょっとになる。
昨年の秋は急に寒さが来てしまい、なかなか発芽しなくてやきもきした。しかし、植物の生命はたくましいもの、厳しい寒さの中で芽を出してそこそこの収穫もあった。
1本のスナップエンドウにはコガタアシナガバチが巣を作っているから、それだけ残してほかのものは全部抜き取った。抜いた枝には何個か豆が残っていたので大事に持ち帰り、スナップエンドウに感謝しながら絵に描いてみた。これまでは絵を絵というと、モチーフを何にしようか、どんな花を買ってこようかなどと考えがちだった。しかし、最近は意外に身近にモチーフがころがっていることに気がつくことが多い。なんでもないモチーフを絵として鑑賞出来る楽しさもだんだん分かってきたような気がする。
抜き取ったエンドウの元には、ゴーヤとキュウリが植えてあった。エンドウは葉が茂っても根元まで暗くなることはないので、こんなことも可能だ。それに、私は昨年から畑を耕さない栽培(無耕起栽培)を取り入れているので植えかえも簡単だ。キュウリの植え穴を掘っているときには畑を耕し、肥やしてくれるミミズもいた。畑でお目にかかるのは久しぶりだ。害虫を食べるカナヘビも春から元気に活動している。耕さないで植え付けると労力がかからないから、あっという間に植え付けも終わってしまい、気が抜けたような気持ちになることもある。でも、その分、野菜の観察がじっくりと出来るから好都合だ。2年目だから、絶対良いという結果がでない限りひとに勧めることは出来ないが、雑草取りもほとんどいらないし、抜き取った残滓もそのまま有機物として土に還元できるから、私のような「ものぐさガーデナー」にとってはこんなにいい農法はない。
抜き取った茎や葉は通路に敷き詰めて置き、完全に枯れて堆肥化したものから株元に敷き詰める。だから、通路はいつも枯れた残滓で覆われている。まわりの菜園の方々は、こんな農法をうさんくさい目で見ているかも知れないが、いまのところナスもピーマンもすくすくと育っている。このまま今年もうまく野菜が育ってくれれば、菜園仲間も少しはこの農法の良さを認めてくれるだろう。それまでは、野菜達と一緒にまわりの厳しい目に耐えていこう。
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無耕起農法
ご無沙汰の間のお話と絵と写真を拝見させて頂きました。無耕起農法について:以前仕事で西アフリカのギニアの山奥に数週間滞在した時に見た「焼畑農法」は農業の原型だと思い、その理に適っているのにつくづく感心した覚えがあります。現在の無耕起農法は視点は全く別ですが、植物にとって理に適っている点は同じなのでしょうね。