キジ鳩の子育て

　庭のムベ棚につくったキジバトの巣に雛が育っている。鳩は２個ずつ卵を産むというが、このキジバトの雛も２羽だ。

　雛はもう羽毛がなくなり、立派な羽が生えそろっているのが窓越しに見える。小さな巣に大きな雛が２羽も入っているので窮屈そうだ。１羽が動くと、もう１羽も動く。親が餌取に行っている間は、子供だけの生活だ。だから、巣から落ちてしまうのではないかと気がきではないが、そこは親によく言い聞かされているのだろう、巣から外に出てしまうことはないようだ。ときどき退屈そうに羽を伸ばしたり、向きを変えたりしている。

　親鳥は、早朝から餌探しに飛び回っている。そして、１日に何度か餌をやるために戻ってくる。親は家の近くに来るとクックックークー、クックックークーと鳴く。それに対して雛たちが立ち上がって反応する。親の泣き声が分かるらしい。午前９：３０、親はムベ棚の巣の直前まで来て、まわりの様子をうかがう。巣の在処を知られないように、誰も見ていないのを確認出来ると素早く巣に潜り込む。そして口移しの給餌。餌をせがむ２羽の雛に交互に餌を与える。その間、２，３分。そして、また、あわただしく餌探しに出かける。

　昨日は、もう一度夕方になって給餌に帰ってきたようだが、昼間もきているのかどうかは確認出来なかった。こんど、１日張り付いて観察してみようと思う。それにしても、２階の軒下に巣を作っているムクドリの雛は、親が帰ってくるとチーチー、チーチーと、離れた所にいても鳴き声がうるさいほどだが、キジ鳩は全く声を出さない鳥のことには疎いのでよく分からないが、キジ鳩の雛は鳴かないのだろうか。

　一昨年は子育ての最中に季節はずれの台風が来たので、親鳥は卵を残して飛び去ってしまった。昨年は大雨続きで餌が集められなかったのか、それとも雛が雨に濡れてしまったのか、羽が生えそろった大きな２羽の雛が巣の中で死んでいた。

　今年はいまのところ子育ては順調にいっているようだ。あと何日かかるのか分からないが、ことしこそ無事雛たちが大きくなって巣立って欲しいと願っている。

　伸び放題のムベの蔓が見苦しいが、巣立ちを見るまでは切らずにそのままにしておこう。