ニホンミツバチ

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 3年前に、福島の山道でミツバチの巣を見つけた。ことしも、まだ同じ所に巣がある。

 その場所というのは、道路沿いの電柱。電柱はコンクリート製だ。名称は分からないが、電柱に登るときに使う足場の棒をつけるネジ穴がある。背丈あたりのその穴が出入り口になっている。穴は一カ所でなく、もっと下の方の足元にもあるが、ときどきそんなところからも出入りしているハチもいるから、かなり大きな巣なのだろう。

 電柱の構造はよくわからないが、中は確か空洞だった。このあたりは冬になると雪がたくさん積もる。しかし、ここならば雪も怖くない。鉄筋コンクリート建てのマンションといったところだ。

 巣に近寄ると、穴の近くで羽をふるわせていたハチに睨まれた。そのうちハチの数がどんどん増えてまわりを飛び回る。怪しいものを警戒するかのようだ。去年、日光でスズメバチが巣に出入りする写真を撮っていたときも、同じような経験をした。ミツバチ1匹くらいなら刺されても痛いくらいで済まされるが、集団で襲われてはたまらない。そこで、2,3枚写真を撮って早々にその場を去った。

 一昨年の今頃は、このあたりに熊が出没していた。蜂蜜の臭いでもかぎつけたのだろうか。すぐ近くの道路端に、新鮮な熊の糞が落ちていた。宿のすぐ前に桜並木があるが、そこにも熊が出没する。サクランボのみのるころだから、ちょうどいまごろの時期だ。その糞にはサクランボの種がたくさん混じっていた。だから、このあたりは同じ熊の縄張りなのだろう。

 ミツバチの種類は専門家に見てもらわないと分からないが、ニホンミツバチだと思う。ニホンミツバチは養蜂家が飼っているセイヨウミツバチとは性格が違うという。例えば、セイヨウミツバチは天敵のスズメバチに襲われると1匹ずつ立ち向かっていく。スズメバチはミツバチより体が数倍も大きいから忽ちかみ殺されてしまう。結果、ミツバチは全滅させられることもある。ニホンミツバチは、そんなとき集団で襲う。スズメバチに集団で覆い被さりその体温で蒸し殺してしまうのだ。

 ニホンミツバチのこうした行動は、日本人の性格に似ているような気がする。落語にでてくる長屋住まいの人たちのように、隣近所が助け合って生活するところがニホンミツバチの生活に重なる。もっとも、そんな意識もひとむかし前の話で、いまの日本は、「隣は何をするひとぞ」という時代になってしまったようだ。

コメント

  1. 菜園ブログ より:

    絵画展
    先日ご紹介頂きました「赤塚先生の個展」に本日参って来ました。独特の雰囲気の作品をタップリと拝見させて頂きました、有難う御座いました。

  2. ポタ より:

    Unknown
    ありがとうございました。先生は、私がいまもっとも近づきたいと思っている画風の持ち主です。今日も先生の講座を受けてきました。水彩画の教室です。
    今日の作品は、近々ブログに載せたいと思います。ズッキーニ、サクランボ、グリーンピース、麦をモチーフに選んでみました。