庭の西側に植えてある山吹の花が咲いている。ヤマブキは春の花だから、ふつうは今頃咲かないのだが、数個の花が開いた。
当たり前の時期に咲かないことを、「狂い咲き」とか「返り咲き」とかいう。たとえば、今回のヤマブキは本来春に咲くものだが、今頃咲いているので「狂い咲き」ということになる。
狂い咲きの原因はいろいろある。うちのヤマブキについて考えられることは剪定だ。ヤマブキは枝分かれもよくするが、放っておくと根元から「やご(ひこばえ)」がたくさん出て藪状態になってしまう。そこで、花が終わったときに思い切って剪定をしたのだ。
風台風や毛虫の被害で、葉をたくさん失ったときにも花を咲かせることがある。夏、日照りが続いたときにも狂い咲きすることがある。
花が咲くのは、植物体内の炭素(C)と窒素(N)の比率(C/N率)によるという説(クラウス&クレイビルの理論)が一般的だ。Cは光合成で出来るでんぷん、Nは土中から吸われる窒素だ。
CとNの両方が十分体内にあるときは、枝葉が伸びるが花つきが悪い。
CとNの両方が少ないとき、枝葉の伸びも花つきも悪い。
Cが十分で、Nが少なめのとき、枝葉の伸びも比較的よく、花つきがいい。
Cが少なめで、Nが十分なとき、枝葉の伸びはいいが、花つきがやや悪い。
といったことになる。
晴天が少ない年は、当然植物体内のCが少なくなる。雨が多かったり、水やりが多すぎたりしたとき、窒素肥料が多すぎたときなどはN過多になる。逆に、日照り続き、水やり不足、追肥不足のときにはCが多くなりがちだ。
もう一つ。植物は死に直面するか、ひどいダメージを受けると花を咲かせる。これは死ぬ前に子孫を残そうとする反応なのだろうか。
ヤマブキの狂い咲きの原因はなんだろう。以上のことを含めて、いろいろ原因を推理してみるのも面白い。
ちなみに、私は「狂い咲き」という言葉よりも、「返り咲き」や「二度咲き」という方が好きだ。「狂い咲き」というと、花に対して失礼なような気がするからだ。
コメント
Unknown
ポタさんこんにちは。きれいな黄色ですね~。
朝露、それとも雨上がりでしょうか?
水滴がみずみずしいです。
昨日のアドヴァイスもありがとうございました。娘に伝えます。(^^)
また質問がありますので、別枠で質問させてください。お忙しいのに申し訳ありません!
カーメル さま
散ってしまうといけないので、いそいで雨の中で傘をさして撮りました。
今咲いてしまうと、来年の春が心配です。
返り咲き
私も返り咲きのほうが聞いたサウンドがいいです。本当に今頃でも咲く事があるんですね。
沢山咲いている時よりこうして時期をずらして咲いた方が稀少価値が上がりますね。
それを花も知っていて咲いたかなあ~
かわせみ さま
きっと、いつ咲いたら目立つか考えているんでしょうね。
始めまして
かわせみさんの所からお邪魔しました。
お名前は、ミレイさんや小鳥沢さんでお見受けして
おりましたので訪問させて頂きました。
写真がとても綺麗ですね。見入ってしまいました。
投稿文の中で、大賀ハスの事が目に留まり、コメントを
入れさせて頂きました。23日に岐阜に在ります
大賀ハスの群生を見に(写真を撮りにですね)参ります。
その時はお知らせしますので、訪問頂けたら幸いです。
soramame さま
初めまして。大賀ハス、楽しみにしています。
葉と花
「葉と花の論理」を読ませて頂き、例えばトマトの元肥と追肥の関係について、今までは教えられた事を鵜呑みにしていましたが、この論理に添って見直して見たらどうかと思いましたが、如何でしょうか?
Sasagawa さま
トマトの場合
Nが多すぎると、茎葉が過繁茂(栄養生長だけ盛んになる)する。だから、元肥にはNを控えめにする。
実がピンポン球大 栄養生長と生殖生長が釣り合うのでNを含んだ化成を追肥する。
N過多は、先端の葉が外側に巻く、または茎が太くなる。場合によっては窓空きといって茎に穴があく。
N過多と思われる場合は、側枝を大きめになるまでとらない。
ランやサボテンの灌水を夏場に控えてやると花がよく咲くのも同じ理論です。
二度咲き
狂い咲き。。
返り咲き。。
二度咲き。。
私、初めて知りました。
恥ずかしなから、・・・。
少しだけ、もの知りになった気分です。
いい話、とても、ありがとうございました。
siawasekun さま
人間も、返り咲きはいいですが、狂い咲きはいけませんね(笑)