ホトケノザ

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 この画像は冬の雑草ホトケノザだ。ホトケノザは漢字で仏の座。葉が茎を取り巻いている様子が仏の蓮華座に似ているのでこのように呼ばれるようになったということだ。シソ科の一年草で日本各地の日当たりのよい場所に生える。4~5月ごろ、この蓮華座の上に、やや細長い唇状の赤紫色の花を咲かせる。近くで見ると、葉の上に座った仏様のようだ。

ちなみに、。春の七草のホトケノザはキク科のコオニタビラコのこと。このホトケノザとは姿も科も違う。タビラコは田平子。冬の姿がタンポポの株のように地面に張り付いているので、その姿を仏の座と見立てたのだろう。コオニは子鬼、茎や葉に毛の生えた大きなオニタビラコに対してついた名前だろう。

 ホトケノザは虫媒花。蜂などによって花粉が運ばれて実をつける。しかし、蜂が少なくなる夏ごろに咲く花は開かない。そして、閉じたままの花の中で自分の花粉を自分の雌しべにつけて実をつける(閉鎖花という)。まるでホトケノザに頭脳があって状況判断をしているようだ。ことによると、植物は動物以上に高度な能力をもっているいる生き物なのかもしれない。

 いまは大寒。ホトケノザもまだちぢこまっているが、春になると一斉に茎を伸ばして空き地一面を赤紫に染める。

コメント

  1. 小池 より:

    大丈夫?
    閉鎖花って近親相姦で弱くなることないんですかね

  2. ポタ より:

    小池 直行 さま
    そういわれればそうですね。でも、野草は結構自家受粉するものがありますね。
    ミゾソバという植物は、地上に咲く花は他家受粉しますが、地中には自家受粉する閉鎖花が着きます。自家受粉して出来た種はそのまま同じ場所で芽を出しますが、他家受粉で出来た種は他の場所に行って芽を出します。
    自家受粉の種は親と同じ場所に暮らすわけですから、親と同じ特性を備えていればいいわけですから、多少草勢が弱くても生きていけるわけです。他家受粉した種は親と違う環境で暮らすので、草勢が強くなければならないので交雑した遺伝子が必要になります。

  3. もいもい より:

    コオニタビラコ
    この名前も昔自然観察会をしていた頃(なつかしー)に聞いた名です。完全に忘れていました。
    植物は自分で考えることが出来ず、今のように変化したのは淘汰の圧力のせいと云われていますが、動物と違う時間の流れの中で考えて行動しているようにも思えます。
    不思議なことが多いですね。

  4. ポタ より:

    もいもい さま
    植物には動物と脳とは違った何かがあって、いろいろ考えているかもしれませんね。植物について学んでいるとそんな気がしてきます。

  5. notti より:

    ホトケノザ
    ヒメオドリコソウに似ていますが違いますね。
    こちらではヒメオドリコソウ春から秋まで頑張っていますね。
    閉鎖花ですか。不思議で知らない事が多いです。

  6. ポタ より:

    notti さま
    ヒメオドリコソウも同じシソ科ですが、葉は心臓形です。ホトケノザは下部は丸形、上部葉は半円形で茎を抱いています。上部の葉が仏の座のような形をしているということです。ヒメオドリコソウは明治の中期に渡来した帰化植物らしいですよ。花の咲く頃には先の方が尖った状態になりますよね。そして、赤っぽくなります。ヒメオドリコソウは、全世界に分布しているそうです。

  7. 菜園ブログ より:

    ホトケノザ
    放置された隣の畑で、秋まで咲いていた花はすっかり影を潜めて、一面に葉が生い茂っています。 次ぎにこの畑が当った人は大変でしょう。

  8. ポタ より:

    sasagawa さま
    種がたくさんこぼれていますから、さぞたくさん発芽するでしょうね。とってもとっても草が出てきてと嘆きながら野菜つくり。途中でいやにならなければいいですね。草をはやしてあった畑は害虫もいっぱいいますね。
    sasagawaさんが当たっちゃうということはないんでしょうか(笑)

  9. 吉ちゃん より:

    Unknown
    冬の雑草のホトケノザがシソ科で春の七草のホトケノザがキク科って同じ名前がついているのに何故なんでしょうか? 素人はそれだったら違う名前をつけても良さそうに感じますが。
    雑草のホトケノザは良く見かけます。

  10. ポタ より:

    吉ちゃん
    植物の名前も時代とともに変わるものもあるのでしょう。また、現在の標準名は学者がつけたものですから、昔の名前や地方名と違うのも仕方のないことです。