画像はナズナ。畑の雑草だ。ナズナ(薺)はアブラナ科の植物で、春の七草のひとつだ。別名ペンペングサは、実が三味線のばち(撥)のような形をしていることからついたとか、実が風に吹かれてゆれた時の音からついた呼び名だという。
七草が食べられるようになったのは平安時代というから、かなり昔から食べられていた野草だ。しかし、平安人になったつもりで、優雅に七草でも摘もうかと野に出てもなかなか見つからない。それもそのはず、いまは暦では七草は真冬。旧暦の七草は立春のあたりになる。
葉を茹でて、お浸しにしたり和え物、油炒めにして食べる。刻んでご飯に混ぜて食べると香ばしくておいしいそうだ。
今年は暖冬だから、七草もそろそろ伸び始めているが摘むのにはちょっと躊躇してしまう。住宅街の近くでは、犬の散歩がさかんだからだ。最近は大分マナーも良くなってきて、糞が落ちていることも少しずつ減ってはきた。しかし、尿は以前どおり。犬がそこいらで尿をするのは当たり前(マーキングだから量も少ないし……)と思っているかもしれないが、尿のかかった山菜なんて食べたくない。
かといって、郊外に出ればいいかというとそうでもない。農家では田んぼのあぜ道、畑の縁、農道に除草剤をまく。空き地も除草剤漬けになっているところが多い。
こうして考えてみると、七草を摘むところが見つからない。かといって、スーパーで売っている七草を買ってきて食べるのも趣がない。ということで、我が家では七草粥の行事をパスしている。
コメント
三菜かゆ
七草をそろえる知識がないので我が家もパスです。
畑で出来る菜っ葉を適当に入れて七草かゆモドキで食べています。
ぎゅうちゃん
すずな、すずしろは栽培できますね。セリは売っているから、それで三菜ですか?
来年はお手本にします。
Unknown
野草も自分で管理している土地でないと恐くて利用できないですね。
除草剤を撒いた後に変色して枯れた雑草を見るのは嫌なものです。それでも翌年また生えてくるから雑草の生命力も強いと思いますが…
もいもい さま
そうですね。最終的には、自分の畑で栽培するほかないですか。
蔬菜学(野菜の学問ですが)では、人が手をかけて栽培したものを野菜と定義しています。だから、畑で栽培する七草は野菜ということになりますね。
しかし、実際には山菜も栽培しているのに山菜として売っているという矛盾はあります。
七草粥
先日TVの料理番組で、七草粥は七草を揃えなくてもいい、まな板で菜を包丁刻む音で、(今流で言えばインフルエンザに罹った)鳥を追い払う儀式だ、と言うようなことでした。我家は取り残した蕪の葉をまな板で叩いて粥に入れました。お蔭様で無病息災です。
sasagawa さま
まな板でたたきながら歌をうたうんですよね。聞いたことがあります。
こういう行事も忘れられていくのかと思うと残念です。
Unknown
ナズナ懐かしいです。
亡くなった母が良く江戸川の土手に行ってナズナを獲ってきて“おしたし”にして食べさせてくれました。
ホウレンソウとはちょっと違った独特の風味がとても美味かった事を思い出します。ぺんぺん草と言うとあまり良い響きがありませんが、食糧難の頃は貴重な食品だったんですよね。
吉ちゃん
私の母も、季節になると、セリやワラビ、ヨモギなどを摘んできて食べさせてくれたものです。いまは年老いてそれも出来なくなってしまいました。季節感があってよかったですね。