ワラビの発がん性物質 山菜栽培

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 ワラビはシダの仲間。草原や原野などの日当たりのよいところに群生する、酸性土を好む植物だ。

 ワラビは、葉が展開する前に収穫し食用とする。生のままではアクが強いので、重曹やわら灰などを加えた熱湯で茹で、ひと晩おいてアクあく抜きをする。

 以前、ワラビは発がん性物質を含んでいると騒がれたことがある。しかし、トラック1台分ほど摂取した場合という話だ。原発の放射物質に汚染されたホウレンソウも、何㎏も食べ続けなければ云々というその筋の方の説明があったが、食べる機会の多いホウレンソウの場合はワラビと違って問題だ。

 ちなみに、「わらび餅」はワラビの根からとったデンプンで作ったもの。ただし、今どきのわらび餅は本物かどうか。くず餅もクズの根からとったデンプンで作るのが本来だが、いまはジャガイモのデンプンで作られているようだ。吉野クズなど本物のクズ粉は、包装袋に「本葛(ほんくず)」と表示されている。

 画像のワラビは3年前に雑誌「やさい畑」の取材のために畑に植えたもの。植えつけ前には、腐葉土だけを施用、石灰はまいていない。秋に植えると翌年から芽が出はじめるが、収穫は翌々年(3年目)からにした方が良い。4年目には大きなものがたくさんとれるようになる。ただし、ワラビは地下茎で繁殖するので畑の隅にでも作らないと畑中ワラビだらけになってしまうので注意。

※参考
 詳しい栽培法は「やさい畑」2010年春準備号参照。
 拙著「だれでもできる はじめての野菜づくり 決定版」には山菜全般の土づくりを掲載している」