寒起こし

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《越冬していたウリハムシ》
 先日、畑の深耕(畑土を、スコップの刃の長さ2個分くらいの深さに掘り返す)をした。こうしておくと、畑土が凍ったり溶けたりを繰り返すうちに団粒化が促進される。つまり、土の細かい粒子どおしがくっついて隙間の多い土ができるのだ。もうひとつ、土中で越冬する害虫が寒気に曝され死滅するという利点もある。これは、水田などでは昔から行われていた作業で、寒起こしという。この「起こす」というのは「耕す」という意味だ。

 寒起こしは、冬雑草の繁茂を抑えるという効果もある。田圃にはスズメノテッポウ、タネツケバナ、スカシタゴボウ、キツネノボタンなどが生えているが、畑にはスズメノカタビラやホトケノザ、ハコベなどが多い。いま起こしておくことによってこれらの雑草の繁茂を抑えることができるのだ。

 畑を起こしていて出てきた虫は数種類だ。まず、初夏から夏の間にカボチャやキュウリの葉を食い荒らしたウリハムシだが、成虫で越冬していた。そのほかにはコガネムシの幼虫やナメクジも数匹出てきたし、ヨトウムシもいた。ミミズとムカデまでも出てきた


《ムカデ(種類不明)》
 ムカデは、姿も不気味だし、やたらにかみつくので目につくと退治したくなるが、畑では益虫だ。肉食性なので害虫を退治してくれる。同じように足がいっぱいあるゲジも肉食性だから私の味方だ。こちらも、何となく気味が悪いが、かみつくこともないので安心だ。
 ミミズは、団粒化を促進したり、土中にトンネルをつくるので土がフカフカになる。また、ミミズの糞はミネラルをたくさん含んでいるので、糞土(ふんど:ミミズの糞)が園芸用に市販されているほどだ。ミミズは土中の有機物を食べて生息している。ところが、農薬を多用ししたり、化学肥料中心で栽培したりしているとミミズが生息できない畑になってしまう。こんな畑は死んだ畑も同然だ。

 野菜は生き物だが、その野菜を育てる土も生き物。寒起こしをしながら、そんなことを再認識した。

 

コメント

  1. かりん より:

    Unknown
    あけましておめでとうございます~♡ 
    …って、遅いですよね~。( ̄∇ ̄|||) (笑)
    今年もまた、仲良くお付き合い下さい♪ (〃∇〃)
    ・・・!!!!( ̄⊥ ̄ノ)ノ ぎゃぁぁぁーっ!! (笑)
    いきなりのポタさんの画像に、オドロキです。
    ムカデ、大嫌いなのです。噛まれた事は、ありませんが。梅雨時には、家の中にも出るの。戦車で闘います…私。(笑)
    益虫なのね? 絶対に見えませんが。(; ̄ー ̄A

  2. ポタ より:

    かりん さま
    おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
    いきなり驚かせてしまい、申し訳ありません。本当はもっと早く載せたかったのですが、せめて松の内が過ぎてからと我慢していました。
    噛まれないように注意しながら、おそるおそる接写しました。その距離2,3㎝です。私の嫌いな虫のひとつですが益虫だなんて……。
    岐阜に住んでいたときには、よく、20㎝以上の大物が家に侵入してきました。泊まりに来ていた友達が、肩の辺りを噛みつかれたことがあります。青春時代の思い出です(笑)

  3. 菜園ブログ より:

    寒起こし
     寒起こしはいいことがいっぱいですが、借り農園では寒中もびっしり植わっていると言うことで、実施しません。 したがって、スパイラル状に土壌が悪い方向に向かって行きます。

  4. ポタ より:

    sasagawa さま
    狭い農園では無理ですね。私も取材のために野菜をたくさん残してあります。この寒起こしは、バックヤード、自分用の畑です。

  5. 吉ちゃん より:

    Unknown
    畑を耕したんですか。私の方はまだやってません。
    ムカデや、ゲジゲジを見ると害虫だと初めて知りました。今まで踏み潰していましたがこれからはやめます。ただミミズは前から土を浄化する役目をしてくれると聞いていますので大切にとり扱ってあげています。 それにしても土の中には色々な虫がいるもんですね。収獲が終わった畑地は私も寒起こしをしようと思います。

  6. notti より:

    Unknown
    我が家でも秋に畑荒起ししました。ボタさんの言われる事頷けますね。
    虫さんが元気ですね。ムカデ、ゲジゲジ見た目は気持ち悪いですが益虫でしたら今度は違った目で見れます。我が家の庭のコンポストの中はミミズの宝庫です。(笑い)

  7. ポタ より:

    吉 ちゃん
    一握りの土の中には数億の生き物がいるといいますね。微生物も含めてですから、目に見える虫はそんなにはいませんけど。だから、土は生き物だという人もいます。
    化学肥料オンリーでは、そんな生き物が生きていけません。

  8. ポタ より:

    notti さま
    ミミズは働き者ですね。土は耕してくれるし、糞まで役に立つなんて偉いです。乾燥して熱冷ましなどに使うミミズもいますね。
    一時期、ミミズを飼育するビジネスが流行りましたね。いまはどうなったのでしょう。

  9. もいもい より:

    Unknown
    遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
    今はマルチを張りっぱなしの不耕起栽培なので寒起こしが出来ないのがした方がいいのかも知れませんね。
    害虫って氷点下何度位で死ぬのでしょうね。少しくらい霜に当たっても青虫はビクともしていません。

  10. ポタ より:

    もいもい さま
    おめでとうございます。
    こちらも同様です。アオムシは健在です。よほど面の皮が厚いのでしょうね。ドライアイスで凍った金魚が水に入れると生き返りますから、アオムシもそのくらい強いのかも知れませんね。

  11. 寒起こし
    昨日車で走っていたらあちらこちらでトラクターで田んぼを耕している光景を目にしました。寒起こしというんですね。
    それと昔で言う麦踏ですか?今は乗用のローラーつきトラクターでコロコロ、ビューンっていう感じでやっていました。わたしも子どもの頃霜柱のたった麦の田で麦踏をしたことがあります。懐かしいです。
    先日田舎にいる妹が家の中をムカデが歩いていたとか、カメムシがサッシの桟に集まっているのを見つけたとか言っていました。
    虫たちが人間の生活空間に入り込んでいるようです。

  12. ポタ より:

    ほっとほっぺ さま
    昔は家の中にいろんな虫が侵入しtきましたね。いまはサッシになってしまったので、たまにゴキブリが侵入してくるくらいです。あの時代はあの時代で良かったのかも知れません。
    私の畑の麦も何回か麦踏みをしました。丈夫で茎の数が多い麦になると思います。

  13. otoupon より:

    寒起こし
    寒起こしとは忘れていた懐かしい言葉でした。運動不足解消にさっそく実行してみたいと思います。我が家も庭の落ち葉と粉砕した木の枝で堆肥は自給していますがクロのウ○チも堆肥つくりに一役買っています。(笑)

  14. ポタ より:

    otoupon さま
    堆肥の自給は良いですね。私は手抜きで、バーク堆肥オンリーです。