とちおとめ

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 ちょっと形の悪いイチゴを写してしまったが、このイチゴの品種は「とちおとめ」だ。大きな実で、甘くて美味しい。

 私が園芸の仕事を始めた若輩(昭和41年)のころ、こんなことを考えていた。①キュウリを出荷するときにイボが潰れると市場値が安くなることから、イボなしキュウリが作れないものか。②ゴボウの消費が落ち込んでいる理由のひとつに栽培に労力がかかりすぎるということがあるのではないか。それを解決するために短根ゴボウができないものか。③大粒のイチゴができないものか。

 いま、①は選別に機械化が取り入られたりもしてそんなにやかましくなくなったが、イボなしキュウリもつくられている。②も短根のゴボウができた。③は章姫(あきひめ)など大きな実のイチゴが出回っている。こうして、私の若き日の夢は、私が手を下さないでも実現した。

 ところで「とちおとめ」を食べているうちに、このイチゴがどのようにできたのか調べてみたくなった。そこでネットを検索。いくつものサイトを開いて分かる範囲でまとめてみた。以下のようだ。

「とちおとめ」は、「久留米49号」×「栃の峰」を交雑。その実生苗から選抜育成。栃木の試験場で誕生した品種。

「久留米49号」は、「とよのか」×「女峰」
「とよのか」は、「ひみこ(久留米36号」×「はるのか」
「女峰」は、「はるのか」「ダナー」「麗紅」の掛け合わせ

「はるのか」は、福羽を親とした系統「促成2号」×ダナー

「ひみこ」は、「久留米34号」×「宝交」
「宝交」は、「八雲(別名:幸玉・砂糖イチゴ)×「タホー」

 まだまだ、文献を調べればきりがなく系図が広がりそうだが、とりあえずこの程度でやめよう。

 ちなみに、この中に出てくる「福羽」は100年ほどむかし、福羽博士が外国から取り寄せたイチゴの種を採種・育成したものだ。いまのイチゴにはこの福羽の血が入っている。

 いま、我々が何気なく食べているイチゴも、品種誕生までに長い道のりをたどってきたことが分かる。

コメント

  1. 吉ちゃん より:

    Unknown
    雪が舞ってきました。寒い土曜日です。
    私はイチゴ大好きで良くハウスで20分食べ放題なんていう所では入園分以上を思い切り食べてきます。
    有名なイチゴも色々な品種が交配され甘くて美味しいものが開発されているんですね。さくらんぼと同じように・・・。 今年のようにガソリンが値上がりするとハウス栽培のものは普段よりうんと高値なんでしょうね。もう少し安ければと思いますが。

  2. sasagawa(菜園ブログ) より:

    とちおとめ
     「とちおとめ」はイチゴの傑作の一つでしょう。
     年々 新品種が登場しますが、イチゴの品種改良は簡単なのでしょうか?
     季節性も薄れ、イチゴと思えない様な大きなのも出来ていて、本当のイチゴはどんなのか判らなくなりましたね。

  3. ポタ より:

    吉 ちゃん
    今日は日中も4℃でした。
    ひとつの品種を作るのに少なくても5年はかかりますね。果樹は実がつくまで年数がかかりますから10年以上でしょう。
    私のイチゴは露地栽培ですから燃料費はゼロですが、その分収穫期が5月頃になります。今のところ無農薬です。

  4. ポタ より:

    sasagawa さま
    種がたくさんできるのでやりやすいのかも知れませんね。
    私のイチゴのひとつの品種は、宝交です。ちょっと古い品種ですが、思い出の味を見たいと思って作ってみました。いまのイチゴは甘くて大きいですね。

  5. いちご
    私も宝交を4株プランターに植えました。
    ワイルドストロベリーなら庭のいたるところに生えていて、結構美味しい実をつけます。
    実家で摘みたていちごをお腹いっぱい食べていたころが懐かしいです。

  6. ポタ より:

    ほっとほっぺ さま
    うちにもワイルドストロベリーありますよ。自然に増えています。
    摘みたては最高ですね。5月の収穫が楽しみです。

  7. ミレイ より:

    おいしそうです
    ボタ様
    画像を見たら、口の中が甘酸っぱくなって、よだれがでました(^_-)-☆
    取ってもおいしそうなイチゴですね。
    こちらでも、イチゴは「とちおとめ」が主流です。
    冬になると、たくさん出回りますね。
    本当は夏の果物でしょうが寒い冬にこの、赤い色を見ますとつい、買ってしまいます。
    家の畑のイチゴ、そろそろ植え替えどきですので、頑張らないと・・・。
    芽キャベツも見事にたくさんの収穫ですね。
    テレビでやってましたが、芽キャベツの方が、普通の大きなキャベツよりも、栄養価が高いそうですね。

  8. ポタ より:

    ミレイ さま
    とちおとめは美味しいですね。イチゴの本来の旬は5月ですが、いまはハウス栽培ですからいつが旬なのか分かりませんね。
    芽キャベツは明日収穫します。市販のものより美味しいと嬉しいのですが、どうでしょう。

  9. OTOUPON より:

    とちおとめ
    私も昔、仕事として苺を扱ったことがあるのですがとちおとめを食べるたびに苺の品種は隔世の進化がありますね。当時は静岡の福羽が市場にまだかなり出荷されていましたからね。栃木の苺が隆盛を極める中、埼玉産の苺の衰退はやむ負えないと思いますが残念ですね。

  10. ポタ より:

    otoupon さま
    埼玉農試でも昭和40年代だったと思いますが、新しい品種を作出して大々的に売り出したことがあります。しかし、日持ちが悪いと言うことで普及はしませんでしたね。そのあとは、イチゴの品種改良はしてないのでしょうか。
    イチゴは香りがいいですね、売り場の近くに行くと何とも言えない香りが漂っています。