赤くなったイチゴに、小さなアリが食い込むように群がっていた。
このイチゴは、宝交早生(ほうこうわせ)という品種。ひと時代前にもてはやされた品種だが、丈夫で味もなかなかのもの。最近の品種と比べると果実はやや小さめだ。
じつは、このイチゴは放任栽培だ。収穫時期が終わってから、ランナーをそのまま放置。ランナーは防風ネットの外にまで伸びて芝生状態。言うなれば、イチゴの芝作りだ。
肥料は2月ごろ化成をうえからパラパラとばらまいただけ。あとの管理は全くしていない。少し手間があったら、子株がある程度大きくなったころに親株を抜き取ってやるとよい。その方が株が更新されるので収量が増えるようだ。
5月のはじめから果実が色づき始めて、いまは最盛期を少し過ぎたところ。実は小さめだが、コクと甘味がある。
最近、赤くなったイチゴが囓られていることがある。はじめはカラスの仕業かと思っていたのだが、少し囓っただけで放置するのが不思議だった。今回、アリが食べている現場を発見して、その犯人(犯虫?)がやっとわかった。見つけたときには十数匹が群れていたが、写真を写真ために果実に触ったとたん犯虫どもは一目散。すっかり姿を消した。でも、1匹だけ残った食い意地(もしかして、巣に持ち帰るための責任感かも知れない)の張った奴がこのアリだ。
アリは共同生活をしているが、ひとつの巣に複数の女王様がいるらしい。蜂は1匹の女王を取り巻いての生活だから、アリは社会を形成していることになる。その点、アリの方が進化しているといえるようだ。そんなことを知ると、イモムシなどと違って、あまり憎めなくなる。イチゴにとっては害があるのだが、その害もほんの一部に過ぎない。このままそっとしておこう、なんて気分になる。
撮影が終わってからも、このアリだけが、無心に?甘い果実をむさぼり喰っていた。
ちなみに、このアリ、図鑑で調べてみたらサクラアリによく似ていた。
コメント
Unknown
ポタさんのイチゴは、とっても美味しく出来ているのでしょう。
食いしん坊のアリさんの気持ちがよくわかります(笑
アリの社会では異端児の働きアリさんなんでしようか?
それとも働きアリの鑑?
すぷらうと さま
私の観察によれば、危険を顧みないで働くアリのカガミです。
イチゴの種の大きさと比べると、かなり小さなアリですが、働く意志はアリアリですね(笑)
ときどき、アリを息で吹き飛ばして食べてみますが、甘さだけでなくコクがありますよ。アリもなかなかのグルメですね。
放任栽培
友人の畑ではイチゴを数年植えっぱなしにしているにもかかわらず、毎年収穫があるそうです。
家庭菜園では放任栽培のほうがいいようです。
しばいちご
私の地元でもこのように芝生状態で栽培している人がいて、真似をしようとしましたが、無理でした。
あこがれで目標でもありますが、冬の間に野ねずみが苗を囓ってダメにするんです。
アリを一緒に食べて酸っぱい思いをしたことがあります(;x;)。
Unknown
いちごおいしそう
初めの写真、白くとんでいてちょっとリアルアリではなくなってるので、見やすいですね 笑
マクロレンズで撮ってるんですね
かなり息とめて撮影したのではないですか?
アリがぶれてないですよね
今晩は
イチゴの放任栽培を読ませていただいて、思いだしました。
子供の頃、我が家ではキャベツをたくさん作って出荷していました。
畑の隅に、イチゴを植えていました。
イチゴの放任栽培だったのす。
小さなイチゴでしたが甘くて美味しいと思いました。
虫食いではなくアリ食いだったのでしょう・・・
熟した、いいイチゴを選んで食べたことを思いだしました。
ぎゅう ちゃん
粒は小さかったですが甘くてコクがありました。
昨日でほぼ収穫が終わりました。
来年は畑でこの方法でつくります。
もいもい さま
野ねずみの害があるんですね。
私の畑にもいますが、アリの害だけです。
イチジクもアリを吹き飛ばして食べるくらい熟したのが美味しいですね。
花凜 さま
死ぬかと思うくらい長い時間息を止めて撮ってます。
というのは冗談です。息はゆっくり吐きながら写真のです。息を止めるとかえってぶれてしまいます。
最近はブレ防止の機能もありますね。そんなレンズが欲しいと思いますが、最後はテクニックだと思います。
小鳥沢 さま
自分で食べるにはこれで十分ですね。北側の斜面だったからかナメクジも来ませんでした。
何個かアリに食べられましたが、これはアリへのお裾分けです。