新座市野火止にある平林寺に植物観察会の下見に行った。臨済宗妙心寺派の寺院だ。
平林寺は600年前に岩槻市に創建されたが、その後徳川時代にこの場所に移された。
城域一体は樹木が多く武蔵野の面影を濃く残していて、国の天然記念物にも指定されている。植物の種類も多いが、小鳥なども多く生息している。見所はこれらの自然と、当時から残っている野火止塚や松平家の墓所など。野火止塚は、野火を見張るために高く盛り上げた塚。武蔵野にはむかしあちらこちらにこのような塚があり、野火の発生を見張ったらしい。城域とその近くには野火止のための溝も掘られている。それが野火止用水だ。
散策路は約2キロメートル。本堂にお参りしてから林の中をすすむ。いまはモミジ、コナラなどの新緑やヤマツツジの花が美しい。林床にはキンラン、カントウタンポポ、ジシバリなども咲いていた。約2時間、シジュウカラの囀りを聞きながらゆっくり散策できた。
さて、帰りのバスには少し時間があったので、大きな竹林がある門前の茶店に入った。頼んだのは山菜そば。味はまあまあだったが、中身はこの通り。幾筋かのワラビと小さな筍だけだ。もちろん、水煮か塩漬けのものだろう。これで600円は、高いのか安いのか。
店先ではこの店の竹林で獲れた立派な筍が売られていた。この筍を茹でて載せれば、この山菜そばよりずっと商品価値が高まると思うのだが……。