ポタケの雨除けトマトは無灌水で栽培している。そのため、尻腐れ症の発生が心配だ。
尻腐れ症は、花落ち部分が水浸状になり、凹んでくる症状。細菌などによる病気ではなく、細胞が壊死するもので生理的なもの。最初は黄土色だが、やがて黒くなり、そこに黒いカビが発生することもある。
尻腐れ症は、カルシウムが不足するために発症する。土壌中のカルシウムが不足している場合はもちろんだが、土壌中にカルシウムが十分あっても土壌が酸性に傾いている、長期間乾燥している、窒素肥料が多すぎるなどの条件で発生しやすくなる。また、尻腐れ症は3段花房あたりで発生しやすい。
土壌中にカルシウムが十分あるのに尻腐れ症が出るときは、カルシウムを土にまいても効果がない。そんな時は、カルシウム剤を地上部に散布する。散布の方法は葉面散布より果房散布が効果的。
カルシウム剤は、容器に入った噴霧用のものが市販されている。その説明書きには、開花期から果実がピンポン球大になるまで1週間に1回、3~4回花房散布と書いてある。
ちなみに、塩化カルシウム(CaCl2・6H2O)を購入して散布液を作るときには、0.4~0.5%液(250~200倍)液になるようにする。
なお、カルシウム剤は効き目が遅効性なので結果がすぐに出ない。あせって、なんどもかけないように注意したい。
カルシウム散布以外に尻腐れ症を防ぐためには、堆肥などの有機物を施し、排水性や通気性、保水・保肥性のよい土を作ること。肥料過多にならないように施肥設計を適切にすること。敷きわらなどをして土の過乾燥を防ぐことなどを心がける。