ダイコンの「す(鬆)入り」

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 産直店で買ってきた聖護院(しょうごいん)ダイコンに「す(鬆)」が入った。

 す(鬆)入りは、老化現象。人の脳は年をとると縮んで隙間が出来るという。しかし、す入りは、それとは違い、細胞内の水分や養分が葉や茎を伸ばすために使われ、細胞膜だけを残して空洞になるのが原因で、一種の生理現象だ。

 最近は葉に栄養があるということで、葉つきのダイコンも出回るようになった。そんなダイコンを購入したら、まず葉を元から切り落とすことだ。そうする事によってダイコンの生長を抑えることが出来るからす入りを防げる。というと不思議に思うかもしれないが、ダイコンは収穫してからも生長を続けているから、長く保存しているとす入りになりやすいのだ。

 収穫が遅れると、畑に植えたままでもす入りだけではなく裂根(根が割れること)も多くなる。裂根はダイコンだけでなくニンジンなどにも起こる。これも生理現象だ。二十日大根(ラディッシュ)など短期間で収穫できるダイコンは、ちょっと収穫が遅れただけでも、す入りや裂根が多くなる。

 ところで、画像の聖護院大根は、甘味があり、出汁の味をよく吸うので煮物に適している。聖護院の名は京都の左京区聖護院が発祥の地だからだ。ちなみに、同地出身の聖護院カブは千枚漬けの材料だ。ついでに、青首(地上に出た部分が緑色のダイコン)の 宮重大根は切り干しや大根おろし、煮物などに利用されるが、このダイコンは愛知県の春日井市宮重の産。地名が由来だ。それでは、みの早生大根は岐阜県美濃産かというとそうではなく、練馬系(練馬ダイコンの系統)の早生種で、東京都北区滝の川の産。江戸時代に百姓「みの吉」さんの畑で突然変異で生まれた品種で、人の名前だ。

 ダイコンの歴史は古いから、日本各地に多くの品種がある。最近の流行は、辛味ダイコン。蕎麦の薬味などに使うダイコンだが、これにも各地に地方品種がいくつかある。

コメント

  1. 聖護院大根は人気
    我が家の野菜で食べきれない分は事務所のパートさんに供給しています。
    このうち聖護院大根はけっこう人気があります。
    煮物にして食べますが、やわらかくておいしいですね。
    (大根をコンテナ1杯にいれて運ぶとけっこう重いです、巣入りの大根は軽いか、でもおいしくないでしょうね。)

  2. もいもい より:

    ス入りの推理
    スが生理現象となると、大根を栽培する場合、まだ成長途中なのか、もう成長が止まってスが入る直前なのかを見極めなくてはなりませんね。
    もう成長が限界で早く抜いて~!というのはどうやって見極めるのでしょうか?

  3. ポタ より:

    ぎゅうちゃん
    私は聖護院の大根おろしが好きなんです。最近の市販ダイコンは、なぜか水っぽくて私の口には合いません。その点、聖護院は煮物用ですから、肉が詰まっているのかもしれませんね。
    す入りダイコンは不味いですね。煮ても汁がしみていきません。

  4. ポタ より:

    もいもい さま
    品種によって、およその生育日数が決まっていますので、収穫日を予測し遅れないように収穫することですね。もうひとつ、葉を1枚根元から切り取って、葉柄の切り口を見ます。す入りになっているようなら、すぐに収穫しないと、やがて根のす入りが始まります。
    ということですが、日数で判断するのが一番ですね。葉柄を切っても分かりにくいです。

  5. かわせみ より:

    大根
    薄味の大根の煮つけをおもいだしました。
    これで一杯は最高ですね.

  6. ポタ より:

    かわせみ さま
    ダイコンの煮物でいっぱいですか。もちろん日本酒?

  7. 菜園ブログ より:

    す入り聖護院
     立派な大根をもったいないですね。
     写真で拝見すると皮の所が部厚く色が変っていますから、生産者か流通かで時間が経ったのでしょう。折角ここまで大きく育ったのに。

  8. ポタ より:

    sasagawa さま
    「す」の部分だけ残して、あとは全部食べました。折角作ったのにもったいないですからね。

  9. かりん より:

    Unknown
    私も時々、『す』が入って大根をダメにする事があります…。
    でもそんな時の私は、「やだぁ~、ダメじゃない~☆(笑)」で済んでしまうのに、
    ポタさんは…『す』1つでも奥が深いですね♪ ( ´艸`)
    老化現象…なのね…。収穫しても成長を続けているなんて、大根って~手が焼けるのね。( ̄∇ ̄;)
    聖護院大根の煮物、作った事があります。気分は…京懐石ですよね。( ̄m ̄*)

  10. ポタ より:

    かりん さま
    「やだぁ~、ダメじゃない~☆(笑)」じゃなくて、なんじゃこりゃ○`ム´○、じゃないですか?
    私は、どんなことでも、
    どうして、どうして(? 。?)って考えちゃう、いやな癖があります(‘ゝ’)?「地下鉄はどこから入れたんでしょう」という漫才みたいですね(笑)
    煮物ならいいですけど、ふろふきダイコンじゃ、馬鹿でかいのが出来ちゃいますね
    \(◎o◎)/

  11. 吉ちゃん より:

    Unknown
    大根のルーツ勉強になりました。
    今、私の畑に植えたある青首大根は収穫期が過ぎても植えたあるのできっとす入りになって根が割れているかも知れません。
    今年は聖護院大根を数本植えてみようと思っています。

  12. ポタ より:

    吉ちゃん
    いまは低温期なので生育はあまりすすんでいません。だからす入りは少ないかもしれませんよ。

  13. notti より:

    大根
    越冬用もつくり室に入れてあります。
    すが入るのは乾燥するからと思っておりましたが
    老化現象なんですね。裂根現象経験あります。
    大根の実と皮の間に網が出来るのはなぜでしょうか。
    表面から見ても分かりません。葉が付いた所を切って確認していますが。

  14. ポタ より:

    notti さま
    ダイコンの身と皮の間が黒くなるのを「網入り」といいます。これもす入りと同じく、生理障害です。土壌の乾燥と生育後期の高温(20℃以上)が原因です。