モンシロチョウが畑にやってきた。といっても、菜っ葉に卵を産みつけにきたのではない。なんと、キュウリの蜜を吸いにきたのだ。長年、この仕事に携わってきたが、チョウチョがキュウリの花の蜜を吸うのを見たのは初めてだ。これでは、「チョウチョ、チョウチョ、菜の葉にとまれ」じゃなくて、「キュウリにとまれ」だ。
モンシロチョウは、アブラナ家の栽培植物に卵を産みつけ、アオムシはその葉を食って成長する。畑のまわりにはスジグロシロチョウも飛んでいるが、このチョウチョの幼虫は栽培植物ではなく、野生のアブラナか植物を食草とする。昆虫学者はモンシロチョウは、外国から入ってきたアブラナ科の野菜とともに渡来したのだろうという説を唱えているようだが、なるほど納得できる説だ。
モンシロチョウは、蜜を吸うときに花粉を運ぶから益虫だが、幼虫はアブラナ科の植物を食害するから害虫になる。キアゲハやアゲハチョウなども同様に、親は益虫、子は害虫だ。
ハーブにやってくる虫を観察していると、意外にハエの類も多い。ハエは衛生害虫だが、植物の授粉のためには結構役立っているようだ。そういう面から考えると、ハエは家に入ってくると害虫、戸外では益虫ということになる。戸外にハエが飛んでいたからといって「瞬間凍結」なんぞというものをまく人はいないだろう。
そもそも、益虫か害虫かは、人間の都合で人間が勝手に決めたものだ。本来はすべての生き物が、相互に関連しあって自然ができあがっている。生物の時間に習ったことがある、食物連鎖や生態系ピラミッドだ。
野菜を栽培しているといろいろな発見がある。私の畑には、クモもいればカマキリ、カナヘビ、トンボ、アマガエルもいる。バッタもいればアゲハの幼虫やカブトムシもいる。アワノメイガやオオタバコガ、ヨトウムシはさすがに捕殺するが、それ以外の害虫がいても無視して観察することにしている。それが功を奏しているのか、3月に畑をはじめてから、いちども殺虫剤は使用しないですんでいる。
コメント
Unknown
ハクサイ、キャベツなどを栽培し始めてからモンシロ蝶を見ると賊悪人に見えて追いかけていく事が度々あります。今はモンシロ蝶は中昔のように美化した姿で
は見れなくなったのは私だけでしょうか? 一面しか見ていない私は心が狭いかも知れないね。
大害虫
私はモンシロチョウは大害虫だと思っています。
花粉は蜂などに任せればいいのでモンシロチョウは必要ありません。親モンシロチョウはせっせとキャベツなどに卵を産み付けていくので悪いです。最近はヒナの餌にしています。蝶や蛾は大好物です。
Unknown
ポタさん
害虫・益虫は人間の都合で勝手に決めているって本当ですね。
彼らから見たら又海の魚たちとか食肉にされる動物たちから見たら人間は大害人なのでしょうね。でもやっぱり虫は困ります。
吉ちゃん
私は毒蛾はいやですが、チョウは好きです。でも、アオムシはいやですね。人間って勝手ですね。
もいもいさま
ヒナのタンパク源になるいいやつでは(笑)
私もアオムシやコナガはいやですよ。
Yuさま
なんと言っても人間がいちばんの悪です。
私の嫌いなものは、毒虫、毒蛇、ナメクジ、蚊やノミなどの衛生害虫です。皆さんはどうなんでしょう。中には好きな人がいるかもしれませんね。
害虫と益虫
野菜作りをしていて、自然の生態系が壊れた所で害が起こっているのではと思います。 防虫網のトンネルを厳重にしていても、何処かから虫は入って来ます。その虫の天敵が入れないので、大発生して害をする虫になっているのでは?と思う経験が度々あります。
sasagawaさま
畑は、植物の数も少なく、場合によっては単一植物なので特定の生き物が大発生してしまうのはやむを得ないですね。しかし、混作をするとか、畑に多種類のものを作るとか、畑の周囲や畝間にバンカープランツやコンパニオンプランツを植えるなどの工夫をすることによって複雑化すれば害虫も減るんでしょうね。
モンシロチョウは害虫かな?と思います。まあ自分の勝手ですけど(笑)
猫の猛者 様
ご覧戴きありがとうございます。
私も害虫だと思ってます。
チョウチョは人気ですが、モンシロチョウだけでなく、アゲハの仲間、シジミチョウの仲間の幼虫にも園芸植物や野菜を食害するものがいますね。
花粉媒助はしますが、微々たるものと思ってます。
でも、生態系の一部としては欠かせない生きものですよね。