メタボな花

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〈雨除け栽培で咲いたトマトの花〉

 トマトの花弁の数は5つに切れているのが基本だ。大玉トマトでは花弁の数とガクの数は同じ。さらに、輪切りにしてみると子室という種の入っている部屋の数も同じだということが分かる。しかし、ミニトマトは2室が基本で花弁の数とは違っている。

 この花は、大玉トマト。だから、基本の5枚に近い花弁が普通のはずだが、異様に多いのが分かる。こんな花を、通称「鬼花」という。鬼花は生長点への栄養過多で子房の細胞数が多くなった花。この花が着果すると凸凹の大きな実になってしまう。いわゆる乱形果だ。乱形果を輪切りにしてみると子室の数が普通のトマトよりずっと多い。20個以上、時には30個にもなるときもある。

 原因は、育苗期や栽培期の低温やチッソ過剰。最初に咲いた花や雨除け栽培に多く発生する。そこで、鬼花を一番花と解釈している人もいるが、一番花イコール鬼花とは限らない。

 乱形果は見た目が悪く商品価値がないので、農家では花のうちに摘果してしまう。しかし、味などは普通のトマトと同じだから、家庭菜園では摘むこともない。むしろ大きくて食べ応えがあると思う。

コメント

  1. すぷらうと より:

    Unknown
    一瞬ヒマワリかと思うほど花弁が多く、キレイに咲いていますね。
    子供の頃ご近所からいただいたボコボコの大きなトマトを懐かしく思い出しました。
    今は美しい形のトマトばかりですもんね。
    家庭菜園ならではの凸凹トマト、いいですね^^

  2. ポタ より:

    すぷらうと さま
    形はどうでも、問題は中身ですよね。
    おいしくて栄養価があればそれでいい。
    売る側が悪いのか、消費者が悪いのか。
    とにかく、皆さんが考えを改めないといけないですね。

  3. 菜園ブログ より:

    トマトの鬼花
     私のトマトは、結構これがあります。やはり窒素の過剰なのでしょうね。
     
     ところで、落花した直後から 果実の皮が縦に割れて、そのまま大きくなります。 
     熟しても その部分は、固くて食べられません。 一段のみならず、かなり上の段の実にも発生します。
     これはトマトーンの影響でしょうか?

  4. ポタ より:

    菜園ブログ さま
    それは、チャック果とか窓あき果といわれるものだと思います。下の方の段は、育苗土の肥料分が多すぎた(電気伝導度が高い)り、育苗が低温すぎたため、または育苗中に水分が足りなくて苗が萎れた時などに発生します。
    また、中段以上の場合は、過繁茂、植えつけ後の低温、老化苗を定植した、植えつけてからの低温などが発生原因です。
     sasagawaさんの圃場で考えられることは、低温だと思います。かなり早く植えつけていますからね。温度が高まるとともに急激に窒素肥料が吸収されるのも原因かも知れません。

  5. 菜園ブログ より:

    有り難う御座居ました
     ご丁寧な ご返事有り難う御座居ました。
     
     私のトマト育生スケジュールでは、追肥の遣る 少し前から 窒素分が効いてきている様に思います。
     地温の上昇で、根の吸肥能力が上がる点を見落としていました。
     有り難う御座居ました、来年は トマトの元肥(とりわけ 窒素分)と追肥を見直します。