ゴボウはキク科の二年草。食用にしているのは日本だけということがいわれているが、実際には中国でも唐や明時代に食べられていたらしい。
ゴボウの種を漢方では「悪実(あくじつ)」という。煎じて飲むと、抗菌作用、血糖値を下げる作用、利尿作用などがある。かぜの熱、せき、へんとう腺炎などにも効果があるそうだ。
ゴボウには水溶性のタンニンが含まれている。タンニンには、ゲンノショウコの薬効成分と同じように収斂作用や止げき作用がある。つまり、下痢止めや腫れに効果がある成分だ。
乾燥した牛蒡根(ごぼうこん)は、煎じて飲むと、食欲増進、胆汁分泌促進、発汗利尿(りにょう)に効果があるそうだ。
また、若い生の葉を料理に使うことがあるが、葉には胆汁分泌を促進する成分が含まれているから肝臓によい。葉を煎じた汁は湿疹、ただれに外用薬として塗ると良いそうだ。
こうしてみると、ゴボウは野菜というより薬用植物のようだ。
ゴボウは普段もキンピラゴボウや煮物にしてよく食べるが、正月のお節料理の煮染め(ゴボウと牛肉)は我が家の常連だ。ゴボウは他の野菜と違って、噛めば噛むほど味が出てくる。好きな野菜のひとつだ。こんな美味しい野菜、ぜひ、世界中にひろめたいものだ。