プランターやポット植えのイチゴの管理

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ポット植えのイチゴの蕾が膨らみ始めた。そろそろ、マルチ掛けする時期だ。

2月のイチゴの管理

これからの作業は、2月下旬頃に枯れ葉を綺麗にとってから追肥。その後、株の間にマルチ用の黒いポリエチレンフィルムを敷く。マルチは、地温を上げるためと雑草が生えるのを防ぐためだ。露地栽培のイチゴも同じようにする。土が乾燥しすぎないように、水やりにも気をつける。

※やってはいけないこと。

ビニールなどで苗を覆うのはNG。被覆すると花は早く咲くかも知れないが、まだまだ氷点下の気温になる日もある。イチゴの花は、氷点下になると傷んで黒くなってしまうから、急いで花を咲かせても収穫は不可能だ。

 ちなみに、秋から春にかけて店で売られているイチゴはハウス栽培のもの。ビニールハウスなどの施設では、電照(電灯をつけて明るい時間を長くする)したり、加温したりして栽培している。だから、休眠(葉や花芽などの生長が止まる)しないで生育し続けるが、露地のイチゴは冬になると休眠する。プランターやポット栽培のイチゴとは栽培方法が全く違うのだ。

※花芽分化と休眠について、もっと深く知りたい人のために。

露地のイチゴは、9月中旬〜10月上旬ごろの気候条件によって花芽ができる。その頃の温度は10℃〜17℃、日長は8時間〜12時間程度だ。さらに寒くなり5℃以下になると花芽分化は停止する。

根や葉も10月上中旬になると休眠期に入り、葉も地上に張りついたような形(ロゼット)になる。その後、低温(5℃以下)に一定期間あうと、休眠が破れ(休眠打破)、気温が上昇する3月頃になると再び生長を始める。

 ハウス栽培では、苗を冷蔵庫に入れたりして花芽分化を早める。さらに、電照と加温により苗が休眠しないように栽培する。

休眠の深さは品種によって異なる。秋から冬に店先に並ぶ、「とちおとめ」「章姫」「とよのか」などのハウス栽培用品種は休眠が浅い。休眠が浅い方が促成栽培がしやすい。

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 画像の品種は「紅ほっぺ」。「章姫(あきひめ)」に「さちのか」を交配してできた品種でハウス栽培用品種。苗は家庭菜園用としても販売されている。