コマツナの花芽分化ととう立ち

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コマツナがとう(薹)立ちした。「とう」は菜花と同じように調理して食べられる。

 コマツナは、種子が吸水して発芽の準備が始まった時点から、低温にあうと花芽ができる野菜。このような仲間を種子感応型野菜という。チンゲンサイやミズナ(キョウナ)、ハクサイ、ダイコンなども同じ種子感応型だ。

 これに対し、キャベツやブロコリーなどのように、苗が一定の大きさになった時に、定温に一定期間あうと花芽ができる野菜を緑植物感応型野菜という。

 とう立ちを防ぐには、とう立ちしにくい品種を選ぶこと、定温に遭わせないようにすること。定温に感応する温度以上の環境下で育苗してから、温度が高くなった畑に植えつけるようにすること。また、ダイコンの冬まき栽培のように、トンネル掛けして昼間の温度を高くすることで花芽分化を打ち消す方法もある(脱春化現象という)。

 露地の秋まきコマツナの場合は、とう立ちしにくい品種(晩抽性品種)を選んでも冬の寒さに遭ってしまう。だから、春になってとう立ちするのは仕方がないことだ。

※とう(薹)立ちのことを、抽苔(ちゅうたい)ともいう。晩抽性品種はとう立ちの遅い品種という意味。

komatuna to

コマツナの「とう」