イチゴの葉縁に水滴がついていた。これはイチゴが順調に生育している証だ。
水滴は、葉縁にある水孔という組織から水分が出たもので溢水という。
溢水現象が起こるためには、地温が植物の生育に適していることと、根の活性が高いことが必要だ。空気中の湿度が高いことも必要条件になる。
また、水滴は若い葉に多くつく。根から吸収された水分が、活性の高い若い葉に多く供給されるためだろう。なお、溢水現象はイネ科の植物に多く見られるが、双子葉植物では一部の植物にしか見られない。理由は水孔の有無による。
イチゴ栽培では、気温と地温がイチゴの生育に適しているときに溢水が多く見られる。これからはイチゴの生育適温になるから、気温と地温、土壌湿度、空中湿度の条件が整えさえすれば、毎日見られるだろう。ただし、水滴は日が昇ると蒸発してしまうから朝方にしか観察できない。
イチゴの溢水。葉縁の尖った先に水孔がある。