庭で育てているキュウリやカボチャの苗に、大きさ2㎜ほどの小さなハエがいるのを見つけた。エカキムシだ。
エカキムシの成虫は葉肉に卵を産みつける。卵から孵化した幼虫は、葉肉を食べながらウネウネと進むので、食痕が絵を描いたように筋状に白くなる。それがエカキムシの呼び名の由縁だ。
エカキムシは、ナモグリバエやハモグリバエ類、ハモグリガなどの通称。庭で見つけたのは、ナモグリバエとハモグリバエ類の2種類だ。
ナモグリバエ
ナモグリバエは昔から日本にいた在来の害虫。「菜に潜る蝿」の意。ナモグリバエの雌は、尖った尾端で葉に穴を開けそこからにじみ出た汁液を栄養する。そして、その中のいくつかに卵を産むそうだ。成虫の色は灰色。
日本では,マメ科,アブラナ科,ユリ科など15科66種の植物で寄生が確認されているそうだ。
ハモグリバエ類
アメリカなど外国から入ってきた害虫。成虫は部分的にオレンジ色になっているのでナモグリバエの成虫と区別がつく。この仲間には、マメハモグリバエ、ナスハモグリバエ、トマトハモグリバエ、アシグロハモグリバエ、ネギハモグリバエなどがある。
ナス、トマト、シュンギク、インゲン、キュウリ、ネギなどに発生する。
防除法
農薬散布する場合も農薬抵抗性があるため完全な防除が難しい。また、目の細かい防虫ネット(1mm目)で野菜を覆う。葉に潜った幼虫を潰す方法もあるが、数が増えると対処できない。
以前、莢エンドウで大発生したことがあった。そのときは、被害の大きい葉を切り捨ててから防虫ネットで囲い、さらに黄色の粘着テープをぶら下げてみた。その結果、その後の被害が少なくなり目標どおりの収穫ができた。なお、抱き畝の場合、通路側に多く寄生するので、発生初期に対処するとよい。
ナモグリバエ
ハモグリバエの仲間。
尾端で穴を空けているところ。このあと、滲み出た汁液を舐めていた。